あけましておめでとうございます!

昨年はたくさんお世話になりました。シルバージュエリーブランドのISHIのローンチや、ARウェブアプリENCODE Koalaのリリース、無料の3Dプリントサービス”FREE 3D PRINT“のリリース、アプリやゲームとのコラボなど、よりレベルを高めることができた1年でありました。

様々なプロジェクトを通じて、ジュエリー・アクセサリーの知見や技術をさらに蓄積することができました。支えてくださった皆様に、感謝を申し上げます。

 

2023年に解決する課題

ジュエリー業界には大きく分類すると、以下の課題が存在します。

  • 複雑な業務プロセス
  • IT化の遅れ
  • 商品に対する透明性の欠如

 

3Dプリンターや3Dモデル生成、ARといったテクノロジーを応用して生きてきた自分だからこそできるアプローチによって、上記の課題を解決し、顧客の皆様、そして業界で働く皆様のより良い世界の実現を目指してまいります。

 

複雑な業務プロセス

早いものでEncodeRing株式会社は、ジュエリー業界に生まれてから6年の月日が経ちます。その間に、多くのことを学び、同時にたくさんの課題も感じてきました。

その一つが独特とも言える業務のプロセスです。

 

リングを作ろうとしますと、複数の工程が発生します。

  1. リングのデザイン
  2. 原型の制作
  3. キャストの見積もり
  4. キャスト
  5. 仕上げ
  6. レーザー刻印

注目すべきは、それぞれの工程によって担当する会社が異なる場合があることです。トヨタのカンバン方式のように、複数の企業が業務を分担して行っており、完成までに時間がかかります。

これはよりシンプルにしなければなりませんし、より簡潔にすべきものと考えております。

 

というのも、弊社では様々なIPホルダー様 (アニメやゲーム、アーティストの事務所など)にデザインや商品企画の提案を行いますため、とにかくスピード感が求められます。日本一スピード感を持って提案できる体制である必要があります。

 

以下の取り組みによって課題を解決してまいります。

  1. デザイナーネットワークの構築
  2. 3DCAD制作の高速化
  3. レンダリングの高速化
  4. 3Dプリントの高速化
  5. キャスト自動見積もりシステムの実装
  6. 仕様書の統一

 

まとめて言えば、製造の自動化です。

企画の内容に合わせて、最適な提案を瞬時に出せる体制を整えます。3DCADに特化したチームの結成やAIを活用した自動生成によって、即時提案ができるようにすること。さらにはデザインされたものを、手に取れる形に瞬時に行えるようにすること。

プロジェクトに必要な予算を即時確認できるように、製造原価のコストを瞬時に算出できるシステムを実装すること。これらを実装することにより、クライアントへの提案速度は最速にまで到達させられるものと考えます。

 

最後に、製造パートナー様とのやり取りの時間、コミュニケーションのコストを考慮し、可能な限りやり取りを削減するため、仕様書を統一します。行ったり来たりのコミュニケーションもまた、効率化の妨げになり、複数の企業が関わる場合には伝言ゲームによる情報の希薄化の要因となります。

共通の言語を作成し、その仕様書を見れば、誰が何をすればいいのかを一目でわかるような仕組みを構築し、複雑な業務プロセスをよりシンプルに、簡潔に行い、誰もがストレスなく仕事ができる環境を構築してまいります。

 

IT化の遅れ

いまだにFAXでの取引や、LINEはおろか、メールも難しいケース等もあり、衝撃を受けることがあるのですが、少しづつ改善されるためにも、まずは弊社が率先してIT化を実現してまいります。

テクノロジー畑出身だからこそできる、他社に先駆けた新しいテクノロジーの導入は積極的に取り組んでまいります。特に3DプリンターやGenerative AIの領域については、試験的な取り組みを実践し、その結果をブログで報告するなどし、業界に貢献してまいりたいと思います。

 

 

商品に対する透明性の欠如

SHEINやAliExpressの登場によって、ファストファッションの限界と問題が浮き彫りになりました。それに伴い、その商品がどのような過程で製造されているのかを気にする、いわゆる賢い消費者と呼ばれる人たちが登場しています。

ジュエリーやアクセサリーの商品についても、今後、高いレベルでの透明性が求められることでしょう。私たちはそこにもメスを入れていきたいと考えております。

これは社会的な意義も含まれますが、業界で働く人々、そしてそこで生み出された商品を消費される顧客の皆様が、それぞれ満足した結果を迎えるためには、ファストファッションの業界で起こっているような歪みは是正されねばなりません

商品に関する情報は全てオープンにすべきであると考えますし、それに伴って全ての人が正当な対価を得て、その対価を次なる投資につなげることでより良い商品が生まれるポジティブな循環を作り出すべきと考えます。

自社で企画する商品については、完全なる透明性を持たせるチャレンジによって、ジュエリー・アクセサリーに対する顧客の皆様の意識を変革しようと考えます。

 

具体的には以下の点を検討しております。

  • 使用する素材の説明と量の公開
  • 自社製品の製造原価の内訳公開 (原材料、工賃、配送料など)
  • 自社製品の利益の公開
  • 製造工程の公開

 

2023年の活動

EncodeRing株式会社は以下の課題解決に取り組みます。

  1. 複雑な業務プロセス
  2. IT化の遅れ
  3. 商品に対する透明性の欠如

 

ジュエリーの世界で取り組むAI時代の3Dプリント”についてでも書きましたが、Encode社が目指すのは、製造の自動化です。3Dプリンタ等のネットワークに繋がれた高度な工作機器を駆使することによって、1点ものをスムーズに大量に生成できる世界です。

原型制作、キャスト、仕上げと、最終的な製品の品質にインパクトをもたらす人の力と技が求められる部分に、人が最大限集中できるような仕組みが必要です。

積極的なテクノロジーの導入と仕組み化により、ジュエリーの業界をアップデートし、三方良しの状態を生み出せるよう、活動を行なってまいります。