オリジナルのジュエリーをデザインして、自分だけのブランドを立ち上げたい!今回はジュエリーブランドを立ち上げるためかかってくる費用について、解説していきたいと思います。
ジュエリーブランドの立ち上げに必要な要素
ブランドを立ち上げるにあたって必要となる要素を、必要不可欠な順に並べると以下のようになります。
- ジュエリーそのもの
- 販売ストア
- PR
大きく分類するとこの3つです。本来であればこの3つの要素の中から、さらに分類して優先順位を立てていくことになりますが、今回は3つの要素、それぞれにかかる費用を見ていきます。
1.ジュエリーそのもの : 10万円 ~
ブランドを立ち上げるなら、商品となるジュエリーがなければなりません。ジュエリーを制作するにあたり、発生する費用は以下の通りです。
- デザイン : 1~3万円
- 原型代 : 5 ~ 10万円
- キャスト代 : 数千円 ~
- 石代 : 数百円 ~
それぞれを見てきましょう。
1.デザイン相場 : 1 ~ 3万円
ジュエリーデザインを自身でやらずに、デザイナーへ依頼する場合、デザイン費用がかかってきます。大体の相場としては、1つのデザイン案につき1万円から3万円の費用がかかってきます。
もちろん自身でデザインする場合はお金がかかりませんが、自分のイメージをより具体的に原型師へ伝える場合には、求値的で細かなデザイン画があった方が、よりイメージが伝わりますので、お金が発生したとしてもプロにお願いするのもいいかと思います。
デザインを依頼するときの注意点
ジュエリーのデザインを受けているデザイナーが、必ずしも製造の知見が豊富とは限りません。そのため、制作したい素材を伝えていたにもかかわらず、技術的に製造が困難なデザインを描かれてしまうこともあります。
その場合は、せっかく気に入ったデザインなのに作り直しをしなければならなかったり、作り直しになったために追加料金を払わないといけないケースが出てきますので、デザインを依頼する際にはしっかりと製造が可能なデザインを製作してもらうように依頼することをお勧めします。
2.原型代相場 : 5 ~ 10万円
ジュエリーを製作する場合、ジュエリーの形状の元となる原型を製作します。原型には手作業で製作する手原型と、3Dプリンターで製作する原型の2つが存在します。
2-1 : 手原型
手原型は完成したデザインをもとに、職人さんが一つ一つ、ワックスを手で削っていき、原型を仕上げていきます。手作業で行うため、緻密なスキルが求められます。
2-2 : 3Dプリント原型
3Dプリンターで作る3Dプリント原型は2つのステップで構成されています。
- 3Dモデル製作
- 3Dプリンターで造形
3Dモデルは、3Dプリンターで造形するために必要な設計図のようなもので、この3Dデータを読み込んで3Dプリンターは原型を造形します。
3Dモデル製作はデザインの細かさにもよりますが、大体2万円から5万円ほどで依頼することが可能です。
その先の3Dプリント費用ですが、ENCODEで提供している無料の3Dプリントサービスなどをうまく活用いただければ、原型代を節約することが可能です。
ワックス原型の3Dプリントする相場観としては大体5,000円ほどでしょう。原型を依頼する際ですが、ダイレクトキャストを希望する場合はワックス樹脂。ゴム型を作成する場合はアクリル等の樹脂で造形を依頼します。
3.キャスト代 : 数千円 ~
原型が完成したらいよいよキャスト (鋳造) です。
原型を溶かした穴に金属を流し込んでジュエリーを制作していく作業がキャストとなります。流し込む金属によって値段が大きく変わってきますので、ジュエリーを制作する際には自分がどの素材を使いたいのかをしっかりと把握しておきましょう。
キャスト代の計算方法
使用する金属量 × 地金相場(gあたり)
3Dデータの体積に対して、金属の比重をかけ、使用する金属量を計算します。この金属量に対して金属の相場をかければ、大体どれくらいの費用がかかるかを計算することができます。
キャスト代を安く抑える方法
地金が高級な貴金属になればなるほど金額が上がっていきますので、例えば地金自体は真鍮などの比較的安価な素材を使用して、それの上からメッキを施して高級感を出すのも一つの手です。
地金は真鍮素材を使用していても、メッキ部分には14Kや18Kといった貴金属系のメッキを施すことで高級感を出すことができます。2万円ほどで提供されているアクセサリー類は、真鍮にメッキをかけるやり方が多いですね。
自分が作りたいジュエリーのキャスト費用を知りたい場合は、CASTYを使用すると便利です。3Dデータを持っている場合は、3Dデータをアップするだけでその場で費用をシミュレーションすることができます。
4 : 石代 : 数百円 ~
天然石などを使用する場合には、石のお金がかかってきます。天然石とひと口に言っても種類やサイズ、カットの仕方によって値段がピンキリとなりますので、石の問屋さんのウェブサイトや、山梨や御徒町にある石屋さんに出向いて、石を見てみるのがいいでしょう。
安定供給の課題
石を使用したジュエリーを販売する際には、その商品が継続して販売できるように、石がしっかりと安定的に供給されるかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。
石の在庫を抱えずに、受注生産などで販売する場合には、そのカットの石がいつ頃まで入手可能なのかや、問屋さんで持っている在庫を確認しましょう。カットの仕方によっては、特注で作っているレアな形状の石の場合などもあり、もう作れません、ということもありますので注意が必要です。
ジュエリー1型の試作費は10万円ほど
商品作りについてみてきましたが、完全にオリジナルで制作しようとすると、大体1つのデザインにつき10万円以上かかってまいります。特にデザイン費用や原型製作費といった部分が費用の大半を占めますので、この部分をどうするかで大きく変わってまいります。
10個のラインナップを同時にリリースしようとすると、それだけで100万円近い費用がかかってきますので、3Dプリンターをうまく使うなどして、より効率的にデザインを形にできる方法を採用するのがいいでしょう。
2 : 販売ストア 数千円 (月々) ~
販売する商品が完成したら次は販売場所を作りましょう。
主な販売チャネルとしてはいかが代表的です。
- 自社店舗
- EC (ネットショップ)
- 卸し
1 : 自社店舗 / 数十万 (月々) ~
自分で店舗を持つケースです。
店舗を持つ場合、固定費として家賃と人件費が発生します。家賃が月々数十万円、店頭のスタッフの人件費が30万円とすると、毎月発生する固定費が数十から100万円をこえて発生してきます。
店舗については店舗物件検索サイトのTempodasuなどで探してみるといいでしょう。
ENCODEとしてはオンラインを中心とした展開をおすすめしておりますので、従来型のジュエリーショップのようなリアル店舗をはじめから開設するというのには前向きではなく、次に説明するネットショップとリアル店舗の組み合わせがベストな方法であると考えております。
2 : EC (ネットショップ) / 数千円 (月々) ~
BASEやStores.jp、Shopifyといったカートシステムを利用することによって、誰でも簡単におしゃれなネットショップを開設できるようになりました。
クレジットカードでの決済もすぐに導入することができるので、新規でブランドを立ち上げる場合でも、速やかにショップをリリースすることができます。発生する月額の費用も、月額無料で使えるものから、数千円で使えるものまで幅広く存在していますので、リアル店舗に比べて費用を格段に抑えることが可能です。
3 : 卸し
小売店舗に製造した商品を卸すのも一つの手段です。ジュエリーフェアなどに出展をして取り扱ってくれる小売店を募集するなど、営業活動が必要となります。立ち上げから間もないブランドの場合、実績不足が原因で、取り扱ってもらうハードルはかなり高くなります。
そうした意味でも、ENCODEとしてはネットショップを基準にした販売をおすすめしております。
3 : PR
販売できるチャネルが完成したら、最後はいよいよプロモーションです。
PRにもいくつか種類がありますが、
- プレスリリースを出してメディアに取り上げてもらう
- インフルエンサーへギフティングをして紹介してもらう
- SNS等でキャンペーンを行う
など、さまざまなやり方があります。
1 : プレスリリースを出してメディアに取り上げてもらう (0円 ~ 数万円)
プレスリリースはメディアの担当者がニュースを作成する際に使用するネタ素材です。ニュースが作りやすいように、新商品の情報や写真などを、わかりやすく簡潔に解説することがポイントです。
プレスリリースをメディアに送る方法は
- PRTimesなどの配信プラットホームを使用する(数万円 ~ )
- メディアに直接メールを送る(無料)
- PRに依頼する
プラットホームを利用する
プラットホームを使用する場合には、プラットホームの中でリリース記事を作成し、配信したいメディアを選んで送信します。送信された記事にメディアの記者が興味を持てば、記事にしてくれる可能性が生まれます。複数のメディアに一気に配信ができるので楽ですし、どれくらいリリースが読まれたかといったデータも集計することが可能です。
メディアに直接メールを送る
メディアに直接送る場合は、メディアの問い合わせページなどに、プレスリリース送付先といった連絡用のメールアドレスが掲載されていることがありますので、そちらから直接PDFなどでリリースを送信します。メディアごとにリリースを送らないといけないので手間がかかりますが、実質無料で行えます。
PRに依頼する
最後にPRと呼ばれるプロに依頼する方法です。プレスリリースの作成からメディアの選定、配信までを一括で行ってもらえます。ブランドに関する詳細や取り上げてもらいたいメディアを伝えて、プレスを作成してもらいましょう。1回のプレスの相場ですが、数万円から数十万円で依頼が可能です。
2 : インフルエンサーへ依頼する
インフルエンサーに対して商品を送り、商品に関する評価や感想をSNSで発信してもらいます。
案件として報酬を支払って依頼するパターンと、報酬は渡さないけれど、商品をあげて紹介してもらうパターンがあります。利益率が高いジュエリーの場合は、ギフティングで商品を渡して紹介してもらうと効果が高いでしょう。
インフルエンサーは仕事の依頼の連絡先をSNSのプロフィール欄に記載していることが多いので、そこから連絡をしてコンタクトをとりましょう。
3 : SNS等でキャンペーンを行う
SNSでプレゼント企画をしたり、RTキャンペーンをしたり、少しでもたくさんの人に認知してもらうためのキャンペーンを行います。ブランドイメージとの兼ね合いもありますので、ブランドにあったキャンペーンを展開して、費用対効果の高いPR効果を生み出しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ジュエリーブランドを立ち上げる際に必要な要素、簡単ではありますがご紹介いたしました。ENCODEとしても全くのゼロからサービスを立ち上げ、さまざまな失敗を経験しながら展開をしてまいりました。
ジュエリーブランドの立ち上げには数十から、数百万円のイニシャルコストと、ECショップに支払う運営コスト、それに知名度を高めるためのPRコスト。これらがかかってまいります。
イニシャルの開発費を考えると、通常のアパレルブランドなどと比較すると、在庫リスクがなく、1つの型に対する開発費も抑えられるため、はじめやすいのが特徴的ですね。
AIツールや3Dプリンターを活用することで、イニシャルでかかっていたコストも今後さらに下がっていくことが予測されます。ジュエリーブランドを立ち上げようとご検討中の方にとっては、追い風と言えるでしょう。
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