生成AIでコンテンツマーケティングを実施して、どれくらいの成果が出るのだろう。
ChatGPTのGPTsをはじめとして、生成AIを使って記事を生成するサービスがたくさん登場しています。実際に運用することでどれくらいの成果が出るものなのか、検証した結果をまとめました。
生成AIを活用してコンテンツ生成で成果をあげたいと考えている方の参考になれば幸いです。
自社でシステムを構築して運用
自社開発の「記事生成AIシステム」を使い、2024年12月から9ヶ月間、自社メディアを完全自動で運用。アクセス解析データと改善施策を基に、AIが本当にSEOで通用するのかを検証しました。

システムの特徴 – 各APIを活用してSEOを意識
Contents Genでは、検索系のAPIを組み合わせて開発しました。キーワードからトレンドを分析し、競合の記事も検証。よりよい記事になるような設計を加えてきます。
ペルソナ機能で記事を深化する
LLMがより深く記事を洞察できるように、書き手のペルソナ(専門家ペルソナ)と、読み手のペルソナ(読者ペルソナ)を登録できるようにしました。
記事を生成する際、出力するコンテンツはあらかじめ登録しておいた専門家の情報を参照するようにすることで、記事の内容をより深くして、読み応えのあるコンテンツになるようにしました。
また、読者ペルソナを設定する際は、読者がどのような悩みを抱えていて、どういう状態になるのが理想なのかを登録しておき、記事を生成する際に読者を想像しながら課題解決につながる記事になるようにしました。
人手をほぼ使わない自動投稿システム
キーワードにあう画像を生成AIが自動生成するところまで自動化することで、95%自動化しました。生成された記事についてもWordPressに自動で挿入されるようにしました。
最終的には人が行うのは記事のファクトチェックと、少しの加筆修正のみとなり、ほぼ自動化できるようになりました。
アクセス数は3倍に。問い合わせ数は8倍以上に。

運用を始めてから9ヶ月ほど経過しましたが、アクセス数はそれまでに比べて約3倍に増加し、お問い合わせの件数も8倍以上に増加しました。
弊社はジュエリーのOEM製造をメインで事業を展開しておりますので、ありがたいことに、3Dプリンターでリングが作りたい。ブランドを立ち上げたいといったお問合せが日々寄せられるようになりました。
追加した記事が日々、インデックス化されていくので、現在もアクセス数は伸び続けている状態です。
受注金額が増加したのはSEOとしては成功
結果として受注件数が増えたため、生成AIでの運用はSEOとしては成功といえると思います。ほぼ完全自動で動いているため、人件費はかからず、かかっている費用としてはサーバー代とAPI使用料くらいです。
また、多くの人に弊社の多品種少量生産の仕組みを知っていただくことができ、「こんな金額でできるんだ」「意外と手軽に制作できるんだ」というお声もいただけるようになったことで、ジュエリー制作のハードルを下げることにもつながったかなと思います。
人手と自社AIシステムのコスト比較
自社で開発した記事生成AIシステムと、人力でのコンテンツ制作を比較した結果は以下の通りです。
項目 | 人手による制作 | 自社AIシステムによる制作 |
---|---|---|
料金 | 1記事あたり 約2,000〜5,000円(ライター/編集者コスト) | API使用料のみ(数円〜数十円) |
納期 | 3〜5営業日(構成→執筆→校正) | 約10分(自動生成〜公開) |
コミュニケーションコスト | 打ち合わせ、修正依頼、フィードバック対応が必要 | 不要(AIが自動でPDCAを実施) |
品質のばらつき | 担当者のスキルに依存 | 一貫した品質(テンプレート+AI評価モデル) |
スケーラビリティ | 人員追加が必要 | 同時生成で数百記事も対応可能 |
結果として、AIシステムはコストを最大98%以上削減し、制作スピードは約1000倍に。
特に短納期・大量制作案件では、人手を大きく上回る効率を実現しました。
特に、ライターさんとのコミュニケーションが不要になった点は大きいです。打ち合わせ等のやり取りで1時間近くかかってしまうこともありましたが、それがなくなったのは非常に大きいと思います。
自社システムの継続的な改善 – 運用する姿勢
生成したシステムは常にアップデートを繰り返しています。生成した記事がSEO的にどうなるのかデータをチェックして、より高い成果を上げられるように改善します。
AIを使って記事を書いていくことで大事なのはここなんじゃないかなと思います。やはり差別化された記事を生成することがポイントですし、そこには自社ならではの専門知識をどれだけ入れられるかが勝負になります。
もっと専門的な記事にするには、やはり自社のシステムとして開発をして、自社向けにアレンジしていくのが最短距離です。記事を生成しておわり、ではなく、継続して運用・改善していくんだという考え方がいいと思います。
まとめ – 生成AIでもSEOは戦える
いかがでしたでしょうか。
半ば実験的に行った自社システムでの運用ではありましたが、ある一定の成果は上げることができるようになりました。特に記事あたりの費用が大幅に削減されたことや、受注件数の増加といった目に見える数値として結果が出ていることは大変嬉しいところです。
また、生成AIツールは自社に向けてカスタマイズが必要であるとも同時に思いましたので、外部のツールを使っていくこともいいですが、できるようであれば内製化して、業務に組み込んでいく方がより成果につながるのではないかと思いました。
ENOCDEではこういった生成AIシステムの相談も承っております。お気軽にご連絡ください。