3Dプリンターを使って、オリジナルのジュエリーを作成したいと思っている方へ向けて、今回は3Dプリンターを使ったオリジナルジュエリーの作り方を徹底的にご紹介します。
3Dプリンターを購入してもいいですし、そうじゃなくても様々なサービスを活用することでオリジナルのジュエリーが作れてしまいますので、ぜひ記事を参考にチャレンジしてみていただければと存じます!
不明な点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください!
3Dプリンターでどんなジュエリーが作れるのか
3Dプリンターでどんなジュエリーが作られているのでしょうか。答えは、ほとんどのジュエリーは作成することが可能です。
1. リング
ジュエリーの定番ですよね。オリジナルのリングを作成することができます。
EncodeRingやISHIも原型は3Dプリンターで作成されています。
2. ネックレスやブレスレット
ネックレスやブレスレットも作成可能です。
ネックレスなどの場合は、ペンダントトップのみを3Dプリンターで作成し、チェーン等は既存のもので作成するのがベターです。石座のみを作成して石を留めてもよし、立体的なチャームを作成するのもいいでしょう。
特に3Dプリンターであれば手作業ではできないような形状の立定的なモチーフを簡単に造形できますので、強い武器となります。
3. イヤリング
もちろんイヤリングも可能です。
イヤリングの場合は、チャームを3Dプリンターで作成し、イヤリングのポケットなどは既製品をろう付けと呼ばれる技法でくっつける方法が一般的です。ろう付けする際には、依頼する工場に「これをろう付けしてほしい」と仕様書と共に伝えるといいでしょう。
オリジナルジュエリーができるまでの流れ
どんな工程でオリジナルジュエリーが出来上がるのかをみていきましょう。
3Dプリンターでジュエリーを作る工程は以下の通りです。
- ジュエリーの3Dモデルを作成する
- 3Dプリンターでワックス原型をつくる
- ジュエリーを鋳造する
- ジュエリーの仕上げ、装飾をする
この4ステップでジュエリーが完成してしまいます。それでは早速みていきましょう!
1. ジュエリーの3Dモデルを作成する
イラストをプリントする時に画像を作成するように、3Dプリンターでプリントするために3Dモデルを作成していきます。
ジュエリーを制作する場合は、ライノセラスなどのCADソフトを使用します。最初から有料はハードルが高いという場合には、BlenderやFusion360 , 最近流行りのShaprなどの無料ソフトを使用するといいでしょう。
特にShaprは直感的な操作が特徴的で、iPadでも使用でき、それでいてそこそこのデザインが作成できるのでおすすめです。
3Dデータが作れない、手元にないという場合には、無料でダウンロードできる3Dモデルサイトなどから3Dモデルをダウンロードするのも一つの手です。ENCODEでも3Dモデルを無料で配布しておりますのでご活用ください。
2. 3Dプリンターでワックス原型をつくる
早速登場しました、3Dプリンター。ジュエリーの形状の元となる原型を、3Dプリンターで造形してきます。この時に使用するのがキャスタブルレジンと呼ばれる、直接鋳造することができるワックス系のレジンです。
光造形3Dプリンターではこうしたキャスタブルレジンがメーカーから発売されていますので、そちらを購入して造形します。
自分の3Dプリンターで造形するもよし。3Dプリンターを持っていない場合には、FREE 3D PRINTなどの外部の3Dプリントサービスを使用するのもいいと思います。
3. ジュエリーを鋳造する
ワックス原型が完成したら次はいよいよ鋳造です。溶かした金属を石膏型に流し込んで固めます。
Amazonなどで安い卓上鋳造機なども販売されていますが、性能やメンテナンス、運用の手間を考えると自宅で鋳造するのはお勧めできません。。。1個から鋳造してくれる鋳造屋さんはたくさんありますし、CASTYのようなネット鋳造サービスに依頼することをお勧めします。
CASTYであれば、作成した3Dデータをアップして、素材と仕上げ方法を選択するだけで完了するため、細かな説明や仕様書を工場に送る必要がないため簡単です。
4. ジュエリーの仕上げ、装飾をする
キャストが完了したら最終的な仕上げに取り掛かります。
自分で研磨する場合は、電動ルーターがあると作業が大変捗りますのでお勧めです。
湯口と呼ばれる金属が流れた跡がありますので、それを除去。次に表面を磨いていきます。磨いていく際には、バレル研磨と呼ばれる機械を使用した粗研磨を最初にしてあげると、よりスピーディに仕上げを行うことができます。
磨きが完了したら完成です。意外とあっさり完成してしまいます。
オパールやクオーツといった石を留める場合は、石留めと呼ばれる作業をするのですが、今回は割愛させていただきます。
3Dプリンターでジュエリーをつくる際に選べる素材は?
キャスタブルレジンで鋳造をする際に、どんな素材であればいけるのでしょうか。これは鋳造屋さんによっても変わってくるのですが、直吹きですと以下の素材が安定して鋳造できます。
- シルバー
- 10K
- 14K
- 18K
- 真鍮
ここに表記されていないプラチナは直吹きが難しいため、一度ゴム型を作成してから鋳造しています。表記されている素材については比較的安定したキャストができておりますので、この中から素材を選択されるとよろしいかと存じます。
鋳造屋さんによって選択できる地金が異なりますので、事前に確認されることをお勧めいたします。
3Dプリンターでオリジナルのジュエリーはいくらでできる???
さて本題です。
3Dプリンターでジュエリーを制作した場合の金額、気になりますよね。
オリジナルジュエリーを作る際の費用の内訳
3Dプリンターでジュエリーを依頼する際の費用は以下の内容にて構成されています。
- 3Dデータ作成費用
- 3Dプリント費用
- 鋳造費用
- 仕上げ費用
早速シミュレーションしてみる
今回は以下の条件でオリジナルジュエリーを制作した場合の料金をシミュレーションしていきます。
- 3Dデータは自分で作る
- 細身のシンプルなリング
- ワックス原型はFREE 3D PRINTを使用
- CASTYで鋳造と仕上げを依頼
これでやってみましょう。デザインはこちらを採用します。
釘っぽい見た目のシンプルなリング。(3Dデータはこちらからダウンロードできます)
こちらを作った場合の金額がこちら。(CASTYで自動見積もりしました)
- シルバー : 5,572円
- 10K : 17,312円
- 18K : 47,771円
シルバー安い・・・!
10Kでもこの金額感です。全くオリジナルでこの価格で作成できるのは非常にお得!と言えますね。
3Dデータ作成を外注した場合の料金は?
今回は無料の3Dデータをダウンロードしましたが、これを外注したらどうでしょう。
内容によりますが、3Dデータの外注相場として、2万円から5万円といったところかと存じます。1つのデータにつきこれくらいの費用感となりますので、いくつもオリジナルを作成しようとする場合は、自分で3Dデータを作れるようになった方がお得です。
Shaprを使ったデザイン方法みたいな動画も近々アップできればと思いますので、お役立てください。
3Dプリント費用はいくらくらい?
CASTYはワックス原型の3Dプリント費用も含まれておりますので、先ほどの金額が合計なのですが、ワックス原型を外注すると結構かかります。
大きさによりますが、大体が5,000円 ~ 10,000円くらいではないかと思います。
結構なインパクトがありますので、たくさんプリントしそうだなーという場合には3Dプリンターを購入するか、FREE 3D PRINTを使用することをお勧めいたします。
鋳造の料金ってどうやって決まるの?
鋳造代金は以下の方程式で決定されます。
- 体積 × 金属の比重 = 地金の使用量(g)
- 地金の使用量 × 地金相場
これに基礎工賃と仕上げ工賃が追加された金額が鋳造や仕上げ費用となります。
簡単にいうと、大きければ大きいほど高くなるし、地金相場が高い金属を使えば使うほど高くなる、ということになります。
この記事を書いている2023年3月は、金相場が1gあたり9000円近くになっていますので、仮に2g使用するとなればそれだけで18,000円近くなってしまいます。予算を見ながら、デザインを調整したり、使用する地金を選ぶなどして、最適なデザインに近づけていくといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
3Dプリンターでオリジナルジュエリーを作成すると、市販されているジュエリーと同等かそれ以下で作成できてしまうんです。
3Dデータの作成が最大の課題かと存じますが、こちらについても無料の3Dデータをダウンロードしてきたり、Shaprなどの無料ツールを使うなどすれば、外注のコストも抑えることができますので、上手に活用しながらオリジナルを作成していけるといいですね。
今回は3Dプリンターでオリジナルジュエリーを作成するとお得すぎた!という内容で記事を書かせていただきました。
ENCODEではジュエリー制作に関する役立つコンテンツを配信して参りますので、見ていただけますと嬉しいです!